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漢方を勉強する上で、「神農本草経」「傷寒論」然り、中国の古典が必ず出てきます。
日本の名だたる漢方を扱う先生も中国の古典を参考にしています。
また「漢方薬・生薬認定薬剤師」の諮問でも必ず出題されるほど、この範囲は点数を稼いでおきたい箇所になります。
あまり範囲は広くありませんし、覚えておかなくてはいけない内容もほぼ決まっていますので、頑張りましょう。
覚えておく内容
- 時代
- 作者の名前
- 内容
本や作者に関するエピソードを入れてありますので、覚えるときに役立ててください。
目次
「神農本草経」
時代 | 後漢1~2世紀 |
---|---|
作者 | 不明 |
内容 | 世界最古の本草書で、上品・中品・下品の計365種類の薬物が収載されています。
上品:無毒で長期服用が可能なもの |
- 神農本草経の「新農」は古代中国の神様の名前
- 「新農」は草木の薬効を自らで試し、何度も毒にあたっては薬草の力で蘇った
- こうした伝説にあやかって名前をつけたので、作者とは関係なし
- 大阪の道修町で奉られている「神農さん」はまさにこの神農
一言メモ
覚え方
関西の方には馴染みがある新農さんの名前が入っているので、覚えやすいかと思います。また、神様の名前が入っているので、歴史のある本、つまり最も古い本だとイメージしておきましょう。
- 「365種類の薬物…」→1年の日数(365日)と同じですね。
「傷寒論」「金匱要略」
時代 | 後漢 |
---|---|
作者 | 張仲景 |
内容 (傷寒論) |
伝染性の病気(急性熱性病)に対する治療法 |
内容 (金匱要略) |
慢性疾患(内臓病・精神神経病・婦人病)の病理と治療法 |
- 「傷寒雑病論」は、後漢の医師である張仲景が一族の人間を傷寒(=チフス様)で多く失ったことから記した
- 「傷寒雑病論」は、後に「傷寒論」と「金匱要略」に分かれる
- 傷寒部分が「傷寒論」
- 雑病部分の中で傷寒論と重複しない範囲が「金匱要略」
一言メモ
覚え方
「神農本草経とほぼ同時代に成立したと推定されている」と過去問(2019年)で出題されていました。
- 金髪の具志堅さんが寒がってる
金髪→金匱要略→金髪豚野郎→慢性疾患
具志堅さん→ちょっちゅね~→張仲景(ちょうちゅうけい)
寒がってる→傷寒論→寒い→感染症
覚えにくくてすみませんm(_ _)m
「黄帝内経」
時代 | (前漢時代に編纂されたが、その後失われた) |
---|---|
作者 | 不明 |
内容 | 本書は素問と霊柩からなり、不老不死を研究した中国最古の基礎医学書 『素問』:基礎理論(人体の生理、病理) 『霊枢』:実践的、技術的(鍼灸術、解剖) |
- 未病(みびょう)という用語は、『黄帝内経』で初めて使用された
- 『黄帝内経』は、陰陽五行説にのっとって記述されている
一言メモ
覚え方
- 校庭に祖母と霊柩車
校庭→黄帝内経
祖母→素問
霊柩→霊柩車
「本草綱目」
時代 | 明 |
---|---|
作者 | 李時珍 |
内容 | 最も詳しい薬学書(中国の本草学史上において、分量がもっとも多く、内容がもっとも充実した薬学著作) 1900種の薬物が収載 神農本草経に+αしたもの |
一言メモ
覚え方
- 理事のちんちん、奔走、肛門
理事のちんちん→李時珍
奔走、肛門→本草綱目
下品ですみませんm(_ _)m
「新修本草」
時代 | 唐 |
---|---|
作者 | 蘇敬(そけい) |
内容 | 勅撰本 別名「唐本草」 神農本草経を増訂したもの |
- 仁和寺に写本の一部が残されている
一言メモ
覚え方
- 信州で唐揚げ食べて鼠径部が痛む
信州→新修本草
唐揚げ→唐本草
鼠径部→蘇敬(そけい)
「和剤局方」
時代 | 宋 |
---|---|
作者 | |
内容 | 国家機関の関与のもと中国にて発行された医薬品の処方集 297処方が記載 |
- 方剤の統一を目的としたもので、今でいう薬局方のようなもの
一言メモ
覚え方
名前に和剤が入っていますが、中国の処方集なので間違えないように
- そう!ワシ究極の中国人
そう→宋
ワシ→和剤
究極→局方
中国人→中国の処方集
「経史証類大観本草(≒証類本草)」
時代 | 宋 |
---|---|
作者 | 唐慎微(とうしんび) |
内容 | 本草書や医方書を合併、引用してまとめたもの |
- 完全な形で現存し、図版も優れ、印刷も鮮明で、文献的な価値が高い
- 唐慎微は、頼まれると吹雪のなかでも往診を行う名医
- 身分の高い人間からは治療費の代わりに、古来の秘伝処方や民間療法の知識を教えてもらう
- こうして収集された知識が収載されている
一言メモ
覚え方
過去問では、「完全な形で現存…」と出題されると、証類本草と答える出題形式となっていますが、念のため作者の名前も入れました。
- 東進の書類は完璧だそうだ
東進→唐慎微(とうしんび)
書類→証類本草
完璧→完全な形で現存し、図版も優れ、印刷も鮮明で、文献的な価値が高い
そうだ→宋
日本の本草書
深江輔仁「本草和名」
権医博士深根輔仁が編纂した漢和薬名辞書である。
『新修本草』によって薬名を配列し、その他漢籍医学・薬学書に書かれた薬物にその和名を記している。
貝原益軒「大和本草」「養生訓」
「本草綱目」所載の薬物と我が国の民間薬をあわせた「大和本草」を著した。
- 海原雄山が大和で養生
海原→貝原益軒
大和→大和本草
養生→養生訓
小野蘭山「本草綱目啓蒙」
小野蘭山の講義録『本草綱目紀聞』を文語調に改め出版したもの
- 小野さん、毛がもうねぇ〜
小野さん→小野蘭山
毛がもうねぇ→啓蒙→本草綱目啓蒙
吉益東洞「薬徴」
江戸時代の薬書。
彼は古方派の医者で実践家であり、本書も自らの治験に基づいて書いた。
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