「漢方薬・生薬認定薬剤師」になるまでの道のり


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薬剤師の生涯学習の一つとして、日本薬剤師研センターが主催する「漢方薬・生薬認定薬剤師」という制度があります。

この制度は、「漢方薬・生薬に関する専門的知識を修得し、能力と適性を備えた薬剤師であることを認定する制度」で、漢方に興味をもつ薬剤師の先生の多くが取得してみようかと考える資格になります。

そこで、漢方薬・認定薬剤師に認定されるまでの道のりを紹介したいと思います。

概要

どんな人にオススメなの?
東洋医学に興味はあるが、何から勉強すればいいか分からない

いくら必要なの?
¥60500 + ¥ 22000 = ¥ 82500

取得までの期間は?
1年

更新は?
3年毎
3年の間に、30単位取得(必須研修15単位以上含むこと)

では、「漢方薬・生薬認定薬剤師」になるまでの道のりを簡単に説明しますと…

申込み

日本薬剤師研修センター(jpec)のホームページで申込みをします。

参考 漢方・生薬認定薬剤師ページ日本薬剤師研修センター

こちらは、日本薬剤師研修センターのHPから引用したインターネット研修の詳細になります。
最新の情報は、次の薬剤師研修センターのHPよりご確認ください。

定員 500名
内容 2022年度 漢方薬・生薬研修会 座学研修収録映像を使用します。
配信元URL、及び配信期間は、受講申込いただいた方へ、メールにて7月初旬よりご案内いたします。
受講確認のため、画面上に表示されるキーワードをPECS(薬剤師研修・認定電子システム)に記録してください。
日程 7月から、配信予定です。
配信期間は別途、ご案内いたします。
受講料
(テキスト代、試問料込)
税込60,500円 (本体55,000円、税5,500円)

出典:「漢方薬・生薬認定薬剤師」HPより抜粋

インターネット研修といえど、人数制限がありますので、受付が開始されましたらなるべく早く申込みましょう

授業を受ける(インターネット研修)

申込みが完了しましたら、授業動画のURLが定期的にメールで送られてきます。

インターネット研修は、パソコンやスマホで受講することができるため、いつでもどこでも受けられるので非常に便利ですが、受講期間を過ぎてしまうと受けられなくなるので注意が必要です。

出席確認の代わりに、授業動画中に表示されるキーワードを出席確認ページに入力する流れになります。

出席率が80%以上でクリアとなります。

薬用植物園実習

講義とは別に、薬用植物園を見学する「薬用植物園実習」を受講する必要があります。

植物園見学の時期(春 or 秋)になると、案内メールが届きますので、希望する日程と植物園を選びます。

ここでも参加人数に限りがあり、先着順で決まってしまいますので、早めに登録をしておきましょう。

私が参加した薬用植物園実習では、植物園のある大学の先生が同伴し、各植物について説明してくれました。
(実習後、レポートを提出する必要がありますので、説明内容をメモし、植物の写真を取っておきましょう。)

その後、建物の中に戻り、諮問の後半で出題されている生薬鑑定問題に登場している生薬が確認できます。

様々な生薬を見ることができる貴重な機会ですので、置いてある生薬をカメラで撮影しておきましょう。

後日、薬用植物園実習レポートをPCで作成し、郵送で提出すればクリアです。

当日持っていった方が良いもの

  • カメラ(スマホでもよい)
  • メモ用紙 or メモ帳
  • クリップボード(植物園で移動しながら文字を書くため)
  • 筆記具
  • 身分証明のカード(見学前に郵送されてきます)

諮問(試験)について

受験資格
  • 授業の出席率が80%以上
  • 薬用植物園実習レポートの提出
試験について
  • 試験時間:1時間
  • 場所:現地開催
  • 解答:選択式(問題によっては記述式)
持ち物
  • 筆記用具(鉛筆・消しゴム)
  • 受験票

があれば問題ありません。

年度  研修会
受講者数
試問
受験者数
合格者数 合格率
H12 601 433 417 96.3%
H13 237 191 186 97.4%
H14 204 149 148 99.3%
H15 365 278 278 100.0%
H16 447 328 328 100.0%
H17 453 348 348 100.0%
H18 524 381 380 99.7%
H19 574 458 457 99.8%
H20 582 440 440 100.0%
H21 770 571 571 100.0%
H22 678 509 507 99.6%
H23 617 487 482 99.0%
H24 682 508 493 97.0%
H25 533 371 371 100.0%
H26 541 377 374 99.2%
H27 548 412 410 99.5%
H28 643 493 471 95.5%
H29 774 579 532 91.9%
H30 682 533 502 94.2%
H31/R元 692 569 436 76.6%
R2 426 347 241 69.5%
R3 416 327    
R4 544      
合計 12533 9089 8372 95.9%
参考 合格率日本生薬学会HP

受講した初年度は受験費用は受講料に入っていますが、次年度からは必要となりますので、とりあえず受けておきましょう。

試験対策については、こちらのページを参考にしてください。

参考 【#試験対策】「漢方薬・生薬認定薬剤師」の勉強法について(仮)生薬まめ知識

合格発表

合格発表は、次のようなメールで通知されます。

合格の場合、PECS(薬剤師研修・認定電子システム)にて申請することになります。

方法は以下のページを参考にしてください。

参考 漢方薬・生薬認定薬剤師制度 新規申請方法日本薬剤師研修センター

総括

「漢方薬・生薬認定薬剤師」になるには、それなりの費用と時間がかかってきます。

漢方薬・生薬認定薬剤師に認定された薬剤師の先生の中には、「全然、臨床では役に立たない」とおっしゃる方がいらっしゃいます。

確かに、漢方薬局の先生に試験問題を見せたところ、「臨床はこんなはっきりしてないところもあるなぁ」とも言われました。

しかし、漢方に関して何から勉強したら分からないという私のような人間にとっては有難いもので、認定後の勉強会では理解度が明らかに変わりました。

認定された時点で終了ではなく、そこからがスタートだと考えましょう。


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