【#スパイス≒生薬の世界】スパイスとして使われる生薬の名前について


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芳香性健胃作用を有する「茴香」は、スーパーでは「フェンネル」という名前で売られています。同じく芳香性健胃作用を有する「丁子」は、「クローブ」という名前で売られています。
さらに調べていくと、実はスパイスとして普段の生活で使われている生薬がたくさんあることが分かります。

そこで、今回はスパイスとして使われている生薬について調べてみました。

スパイス≒生薬 の世界

こちらは、スパイスとしても売られている生薬になります。

スパイス名 生薬名
カルダモン 小荳蒄
クコの実 枸杞子
くちなしの実 山梔子
クローブ 丁子
サフラン サフラン
山椒 山椒
シナモン 桂皮
ジンジャー 生姜
スターアニス 八角、大茴香
ターメリック 鬱金
トウガラシ 蕃椒
ナツメグ 肉荳蒄
フェンネル 茴香
ポピーシード ケシの実
マンダリン 陳皮
リコリス 甘草
ロングペッパー 蓽茇

カルダモン「小荳蒄」

スパイスで使用される「カルダモン」は、生薬で使用される「小荳蒄」と同じです。

カルダモンは、サフラン、バニラに続く世界で三番目に高級なスパイスです。
独特の芳香と辛味と苦味があり、北欧・インド・中東・エジプトなどで多用されるスパイスで、ソース、ドレッシング、肉・魚料理やカレー料理、パンや菓子、ドリンクなどの香りづけに使われます。
カルダモンの歴史は古く、紀元前2世紀ごろにはすでに香辛料や医薬品として使用され、ヨーロッパに輸出されていたと考えられています。

クコの実「枸杞子」

スパイスで使用される「クコの実」は、生薬で使用される「枸杞子」と同じです。

クコの実は、北米では「ゴジベリー」や「ウルフベリー」の名でドライフルーツのように食べられており、栄養バランスに優れたスーパーフードとして海外セレブにも大人気です。
中国では「不老長寿の薬」と言われ、世界三大美女のひとり、楊貴妃が毎日食べていたという話もあるほどです。
さらに、スーパーモデルのミランダカーも愛用しているとの話も。美肌効果・老化予防・疲労回復が期待されます。

くちなしの実「山梔子」

スパイスで使用される「くちなしの実」は、生薬で使用される「山梔子」と同じです。

くちなしの実は、着色料として使用され、栗きんとんや沢庵の色付けに使われます。
サフランのように高価ではなく、ターメリックのように味が変わることがないため、様々な食品に使用されます。
インスタント麺、中華麺など着色料として「クチナシ色素」と表示されてるのを見たことがあるかもしれません。

クローブ「丁子」

スパイスで使用される「クローブ」は、生薬で使用される「丁子」と同じです。

クローブは、特徴的な形のスパイスであるクローブ、肉の臭み消しに効果的で、ポトフ・ビーフシチュー・豚の角煮・カレーなどによく使われます。
他にも口臭があるときに丁香(乾燥した花蕾)を口に含んでいると臭い消しに役立つということから、漢王朝の皇帝に謁見するものは口臭を消すためにチョウジを口に含んで噛む必要があったそうです。

サフラン「サフラン」

スパイスで使用される「サフラン」は、生薬で使用される「サフラン」と同じです。

サフランは、スーパーでもよく見かけるこのスパイス…実は世界で最も高級なスパイスになります。
サフランという植物の柱頭部分であり、一つの花から取れる量が少ないため、1 kgのサフランを収穫するのに17万個の花が必要とされています。
スパイスとしては、パエリア(スペイン)・サフランライス(インド)といった料理に使用されます。日本では、大分県で国内生産量の8割以上を生産しています。

山椒「山椒」

スパイスで使用される「山椒」は、生薬で使用される「山椒」と同じです。

山椒は、すでに縄文時代には利用されていた日本最古のスパイス。
芳香と、口の中がしびれるような辛みが特徴です。
一方、山椒の中国版が花椒で、山椒よりもさらに芳香、辛みが強いようです。

シナモン「桂皮」

スパイスで使用される「シナモン」は、生薬で使用される「桂皮」とほぼ同じです。

日本人にとって、かなり親しみのあるスパイスではないでしょうか。
世界最古のスパイスとされ、「スパイスの王様」ともいわれるシナモンは、生薬名「桂皮」と呼ばれ数多くの漢方処方に配合されます。
独特の香りから、アップルパイやシナモンロールといった洋菓子から、チャイの香り付け、八ツ橋にも用いられます。
ちなみに、シナモンとして使用される植物は、セイロン・カシア・ニッキとなっていますが、桂皮としてはカシアのみが基原植物となっています。
カシアは辛味が強く、セイロンは甘みが強いことから、スパイスとしてはセイロンがよく使われます。

ジンジャー「生姜」

スパイスで使用される「ジンジャー」は、生薬で使用される「生姜」と同じです。

ジンジャエールの原料としておなじみの生姜です。
辛味成分と爽やかな薫りが特徴で、海外だとクリスマスの時期に作られるジンジャーブレッドという生姜入りクッキーが有名です。

スターアニス「八角、大茴香」

スパイスで使用される「スターアニス」は、生薬で使用される「八角、大茴香」と同じです。

中華料理には欠かせない八角。
八角を用いた料理としては、東坡肉、北京ダック、杏仁豆腐などがあります。中華料理以外にも、インド料理、マレーシア料理、インドネシア料理、ベトナム料理、タイ料理などでも用いられます。独特の香りから好き嫌いがはっきりと分かれています。

ターメリック「鬱金」

スパイスで使用される「ターメリック」は、生薬で使用される「鬱金」と同じです。

二日酔い対策として「ウコンの力」というサプリメントが有名ですね。
これは、ウコンの成分であるクルクミンの肝機能への作用を期待して配合されています。
「鬱金」の由来となってる金色は、インドネシアではおめでたいこと色とされることから鬱金を使った料理が結婚式で振る舞われるそうです。

トウガラシ「蕃椒」

スパイスで使用される「トウガラシ」は、生薬で使用される「蕃椒」と同じです。

トウガラシは、辛味の強いレッドペッパーと呼ばれ、カレー粉や七味唐辛子などに配合されています。
特に朝鮮料理の代表的な香辛料で、「コチュ」と呼ばれています。
ちなみに、「コチュジャン」は、唐辛子を加えた調味料という意味です。

ナツメグ「肉荳蒄」

スパイスで使用される「ナツメグ」は、生薬で使用される「肉荳蒄」と同じです。

ナツメグ(nutmeg)は、nut(豆)とmeg(ムスク)に由来し「ムスクの香りがする豆」を意味し、シナモン、コショウ、クローブに並び世界四大スパイスと言われています。
主に肉料理の臭み消しを目的にハンバーグなどの挽肉料理に利用されます。

フェンネル「茴香」

スパイスで使用される「フェンネル」は、生薬で使用される「茴香」と同じです。

フェンネルは、数千年ほど前のもっとも古い時代から栽培されているハーブの一つで、スーパーのスパイスコーナーでは必ずと言っていいほどよく見かけます。
魚料理との相性が良く、魚の臭い消しと脂っこさを感じさせない効果から、「魚のハーブ」「フィッシュハーブ」という異名があります。

ポピーシード「ケシの実」

スパイスで使用される「ポピーシード」は、生薬で使用される「ケシの実」と同じです。

ナッツの一種で香りやプチプチとした食感を楽しむために使われることが多いです。あんぱんの上に乗っているつぶつぶこそポピーシードです。

マンダリン「陳皮」

スパイスで使用される「マンダリン」は、生薬で使用される「陳皮」と同じです。

温州みかんの皮である陳皮は、マンダリンという名前でスパイスとして利用されています。
柑橘系特有のほのかに爽やかな香りは、様々な料理に使うことができます。

リコリス「甘草」

スパイスで使用される「リコリス」は、生薬で使用される「甘草」ほぼ同じです。

漢方薬の中では最も多く配合されている甘草ですが、名前の通り噛むと甘いことから甘味料としても利用されています。
英語ではリコリスといい、リコリス菓子や有名な清涼飲料水であるルートビアなどの原料として利用されています。

ロングペッパー「蓽茇」

スパイスで使用される「ロングペッパー」は、生薬で使用される「蓽茇」と同じです。

蓽茇(ヒハツ)は、長い房になったまま用いるためナガコショウとも呼ばれています。コショウのような刺激的な香りとシナモンのような甘く爽快な香りがあるとも表現されており、カレーのスパイスなどに利用されます。

なぜ、医薬品にもなるスパイスがそのまま買えるの?

厚生労働省から出ている、「医薬品的効能効果を標ぼうしない限り医薬品と判断しない成分本質(原材料)」というリストに入っているからです。

例えば、生薬として使われる紫根や山梔子は、食品の着色料としても使われます。

陳皮は、スーパー等でよく売られているミカンの皮です。

これらを医薬品として取り締まると使えなくなってしまいます。

では、医薬品にもなるスパイスをそのまま使っても大丈夫か?という疑問が出てきますが、過剰に使わなければ問題ありません。

例えば、生姜をたくさん食べると腹痛が起き、お腹を下します。

一方で、適量で使用すると、辛味性健胃にもなりえます。

つまり、「薬も過ぎれば毒となる」ということですね。


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